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【京都】妊産婦をサポート、中国語医療通訳を養成へ [日本・海外における中国語発信]

妊産婦をサポート、中国語医療通訳を養成へ
http://kyoto-np.co.jp/kyoto/article/20100923000041
京都新聞 2010年09月23日
京都市内の中国人妊産婦を対象に、病院や行政機関で診療や助成制度の手続きを助ける中国語の医療通訳の養成に、下京区のNPO法人「多文化共生センターきょうと」が10月から乗り出す。市内の中国人居住者が増え続ける一方、医療や行政側に中国語を話せる人材が少ないミスマッチを解消する狙いだ。  同センターは市内4カ所の病院に限って中国語の医療通訳を派遣している。昨年度は、英語などを含めた派遣約1600回のうち、9割以上を中国語通訳が占めた。  新たに養成する中国語の医療通訳は、妊産婦の要望に応じた医療機関をはじめ、出産費用や乳児にかかる医療費の軽減制度を利用するために区役所窓口などへ帯同する。通訳には時給1500円と交通費を支給する。  10月15日からの毎週金曜に計10回、同区のキャンパスプラザ京都で、母子保健の制度▽出産に関する医療の知識▽診療時や行政窓口での手続き-などについて実技指導を交えて講義した後、試験を課す。合格者を、来年1月から通訳として現場へ派遣する。  同センターの重野亜久里代表は「専門性の高いプロの人材を養成し、国際結婚や就労、留学などでこれからも大きくなる中国語医療通訳へのニーズに応えたい」と話している。  日本語と中国語で日常会話をできるのが受講の条件。料金は、30日までに申し込むと1万円。定員25人(先着順)。同センターTEL075(353)7205のホームページから申し込む。



月面の地名に初の標準中国語訳 [言語・語学・通訳・翻訳]

月面の地名に初の標準中国語訳  「人民網日本語版」2010年9月3日
http://j.people.com.cn/95952/7128314.html

普通話から広東語を守ろう、という無許可抗議集会 [言語・語学・通訳・翻訳]

「広東語守ろう」で無許可集会=2000人以上が参加―中国・広州
asahi.com 2010年7月26日15時6分 [時事通信社]
http://www.asahi.com/international/jiji/JJT201007260059.html
【香港時事】26日付の香港各紙によると、中国南部・広東省の省都である広州市中心部の路上で25日、「広東語を守ろう」と呼び掛ける地元住民の集会が警察の許可を得ないで開かれ、2000人以上が参加した。  中国の少数民族地区では言語・宗教問題が原因で抗議行動がたびたび発生しているが、漢族の言語問題に起因する大規模な住民運動は珍しい。  広州市の政治諮問機関・人民政治協商会議(政協)のある委員が今月初め、同市で11月にアジア競技大会が開催され、他省から多くの人が来訪することなどを理由に、地元テレビの広東語チャンネルを標準語に改めるよう提案。これに反発する動きがインターネット上で広がり、海珠区の地下鉄駅前で自然発生的に大集会が開かれた。 


標準中国語から広東語を守れ、香港や広州で抗議行動
2010年07月28日 18:58 発信地:香港
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2743728/6018610
【7月28日 AFP】中国南部や香港(Hong Kong)などの広東語が話されている地域で、普通話(Putonghua、標準中国語)の使用拡大に抗議する動きが広がっている。  きっかけは中国南部広東(Guangdong)省広州(Guangzhou)市の人民政治協商会議(People's Political Consultative Conference)が今月初め、11月に広州で開かれるアジア競技大会(Asian Games)を前に地元テレビ局のプライムタイムの番組を広東語から普通話に切り替えるよう市当局に提案したことだった。 ■香港で抗議行動を計画  広州市では25日、この方針に反発した人びと大規模な抗議行動を行った。香港でも8月1日に同様の行動が計画されており、活動家らがソーシャルネットワーキングサービス(SNS)フェースブック(Facebook)を通じて参加を呼びかけている。主催者は10万人の参加を目指している。27日午後までに150人以上から参加の意志を示す書き込みがあったという。1989年の天安門(Tiananmen)事件後の中国で、本土で起きた抗議行動が香港に広がるのは珍しい。  地元夕刊紙、羊城晩報(Yangcheng Evening News)によると、地元テレビ局の広州電視台(Guangzhou TV)は一連の抗議を受け、放送で広東語と普通話を併用する現在の方針を変えないと発表した。それでも、広東語話者たちの懸念は消えない。  香港で抗議行動を計画している蔡淑芳(Choi Suk-fong)さんは、政府による普通話促進の動きは国内少数派の抑圧だと考えている。「英国統治下の香港で二流言語と見られることが多かった広東語は、残念なことに今度は中国政府から抑圧されようとしているんです」 ■チベットやウイグルでも普通話の押しつけに反感  広東語は広東省、香港、マカオ(Macau)に加え、海外の華僑社会でも広く話されている。中国では広東語のほかにも多くの方言や少数言語が存在するが、これらの言語間の違いは互いに理解できないほど大きい。中華人民共和国が成立した1949年以後、国の一体化を進める共産党政府は、北京(Beijing)の方言を基とする普通話の普及に力を注いできた。  1982年に普通話が正式に公用語に定められると、多くの放送局が普通話を放送に取り入れるようになった。近年、内陸部から沿海部への出稼ぎ労働者が増えるにつれて普通話も広がっていった。    しかし広東省、チベット(Tibet)自治区、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)、内蒙古(Inner Mongolia)自治区など独自の言語文化を持つ地域では普通話を押し付けられているとして反感を抱く住民も少なくない。(c)AFP/Polly Hui

世界的中国語ブームで中国語教師が足りない―シンガポール華字紙 [中国語教育の動態]

exciteニュース 2010年7月15日
http://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20100715/Recordchina_20100715003.html

2010年7月12日、中国の国際ニュースサイト・環球網は11日付のシンガポール華字紙・聨合早報の記事を紹介。世界中でブームになっている中国語学習熱の実態を伝えた。

中国国家漢語国際普及指導チーム弁公室(略:漢弁)は、過去5年間で90以上の国と地域にある大学や高等学校と提携して、300か所を超える孔子学院と300か所以上の孔子課堂(教室)をそれぞれ設立。中国国務院参事の許琳(シュー・リン)漢弁主任は中国語学習熱が世界中で高まっている実例として「世界各国の大学から送られてくるFAXやメールは毎日少なくても40通。その内容はすべて孔子学院の設立や中国語教師の派遣を依頼するものだ」と話している。

許主任によると、漢弁が各国の孔子学院に派遣する中国語教師については、現地の言語を習得していることが必須条件。「タイでは現在50万人の学生が中国語を学んでおり、タイ語の話せる中国語教師が毎年1000人必要な計算に。アルゼンチンでは50人の孔子学院生徒募集に2000人以上が応募する事態になり、スペイン語を話せる中国語教師養成のため急きょ70人から80人の若者を中国からスペイン語圏に派遣。1年間の語学研修を受けた後に現地の孔子学院の教師となるよう手配した」と語り、世界的な中国語ブームに中国語教師の供給が追いつかない現状を明らかにした。(翻訳・編集/本郷)

東大の中国語履修者~7ヶ国語の中から選んだ理由とは~ [中国語教育の動態]

東大の中国語履修者~7ヶ国語の中から選んだ理由とは~
(執筆者:伊藤徳也 東京大学大学院准教授)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0419&f=column_0419_001.shtml
サーチナ【コラム】 2010/04/19(月)

  東大は、学生に既習外国語と未習外国語二つの外国語を、必修科目として課している。今年度開講されているのは、英、独、仏、中、西、露、朝、伊の8言語。そのうちイタリア語は文系だけで理系には開講されていない。毎年3000名を越える新入生を迎えるが、ほぼすべての学生が、既習外国語として英語を選び、もう一つの未習外国語を他の言語の中から選んでいる。

  今年度の新入生は3100名少しで、若干の調節を経た後確定した未習外国語の履修者数が、

独:884名
中:855名(昨年度は803名)
仏:616名
西:559名・・・

  という結果になった。(数字は上位4ヶ国語のみ)このうち上位3ヶ国語は、さらに既習外国語として選んだ学生が33名いる。そのうち15名が中国語だ。それも含めれば、中国語履修者は計870名、全新入生の約27%ということになる。

  このような情勢はおおまかには、90年代半ば以降ほぼ常態となっている。日本の各大学で中国語履修者が激増したのは90年代半ばのことのようで、それは東大でも同じだった。東大では93年から96年にかけて、373→637→747→897と中国語履修者数が推移したが、特に93年度から94年度にかけては倍近い増え方をしていて驚異的だ。

  さて、昨年度、今年度と、未習外国語として中国語を選んだ学生の一部に、共通のエントリーシートを記入してもらったので、それに基づいて、最近の中国語履修者に対する私の印象を、ざっくりと書きとめておきたい。

  中国語を7ヶ国語の中から選んだ理由としては、将来役に立ちそうだと積極的に考える学生が圧倒的に多く、簡単そうだとか外国語としては漢字表記なので楽そう、という消極的な理由は、予想外に少ない。周囲に中国人がいたとか個人的ななじみがあったから、家族に薦められたから、といった理由も散見される。

  同時に中国という国家、中国人という国民に対する印象を尋ね、それが外国語の選択に影響したかどうかを聞いたら、本人たちの意識としては、両者の相関関係はあまり高くないらしい。つまり、中国や中国人に対する印象の良し悪しに関わらず、役立ちそうだから中国語を選んだという学生が比較的多いということだ。

  中国、中国人に対する印象だが、これは千差万別で、悪い人もいれば良い人もいる。あからさまに中国に対する嫌悪を記した学生が、ごく少数ながらいた。その一方で、中国を嫌悪する人やマスコミの中国に対する取り上げ方に対して、疑問や反発を記した学生も、やはり同じくらい存在する。

  それはともかく、今回改めて確認したことは、中国政府、中国人に対する好悪をまったく超越して、「三国志」が好きという学生が中国語履修者の中には少なからず存在するということだ。この点は、私が東大に赴任してからずっと10数年間、一貫して変わらない
ように思う。以前は男子だけだったが、いつごろからか男女を問わなくなった。これはいわゆる「歴女」出現の筋から考えると一応の納得はできる。

  ただし、彼らにとっての「三国志」が古典の「三国志演義」とどれくらい同じで、どれくらい違うのか、それはわからない。史書「三国志」とは当然違うにしても、「蒼天航路」が好きと書く学生もいて、そのあたり底が知れない。もしかしたら、最近の学生が好きな関羽は、最近のビデオゲームに出てくるカラフルな装いの少女なのかもしれない。「関羽」という名の、瞳の大きい童顔の、細い足がすらりと長い、「美少女」――関羽も今や変幻自在に加工できる魅力的なポストモダンの「キャラクター」だ。

  このあたり今度学生によく聞いてみたい。(執筆者:伊藤徳也 東京大学大学院准教授)

中国人もビックリの語学力、ニューヨークで中国語コンテスト [中国語教育の動態]

中国人もビックリの語学力、ニューヨークで中国語コンテスト
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100420-00000088-scn-cn

Yahoo!ニュース 4月20日 配信:サーチナ

 ニューヨークのペース大学で17日、大学生による中国語コンテスト「漢語橋」が開催され、ニューヨーク周辺に住む大学生が多数参加した。

 このコンテストは、中国国家漢語事務局が主催した、ニューヨーク周辺の大学生を対象とする中国語の大会。会場で大学生たちは、日ごろ学んできた語学力を競い合った。

 優秀な学生が多数参加するなか、見事グランプリを獲得したのは、プリンストン大学3年生のマシュー・サレシ君。彼の語学力のすばらしさに、審査委員会の人たち全員が驚嘆していた。(編集担当:中村卓朗)

外国人の中国語会話力を測る新検定試験、北京など8地区で試行へ―中国 [中国語教育の動態]

外国人の中国語会話力を測る新検定試験、北京など8地区で試行へ―中国
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=41706&type=1
2010-04-28 レコードチャイナ

2010年4月26日、中国語を母語としない人の中国語会話力を測る検定試験「漢語口語水平測試」(略称:HKC)が、北京や上海など8地区で試験的に実施されることが決まった。中国新聞網が伝えた。

HKCは主に「聞く、話す」に重点が置かれたもので、30分の間に「文章を読む」「質問をする」「復唱する」など7つの項目についてテストする。レベルは1級~9級に分けられ、1~3級が初級、4~6級が中級、7~9級が上級となる。試験的にHKCが実施されるのは、北京市・天津市・上海市・江蘇省・山東省・福建省・広西チワン族自治区・重慶市・湖北省武漢市。年内の実施が予定されている。

中国国家語言文字工作委員会の王登峰(ワン・ドンフォン)副主任は、「言葉は交流の手段だけでなく、その国の文化を伝える道具。検定試験が世界中の中国語学習者の励みとなり、中華文化へのより深い理解につながれば」と話している。(翻訳・編集/NN)

中国翻訳協会が中日翻訳セミナー [言語・語学・通訳・翻訳]

中国翻訳協会が中日翻訳セミナー
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2010-04/26/content_19909560.htm
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年4月26日

中国翻訳協会対外報道翻訳委員会主催の中日翻訳研究会第3回セミナーが4月24日北京郊外のリゾート地で開催された。北京第二外国語大学が受け皿となってこのセミナーをアレンジした。セミナーには、なが年日本向けの報道や交流に従事してきた北京週報日本語版(ネット版)、チャイナネット、「人民中国」誌(急用で欠席)、北京放送、外交部、中日友好協会、北京市外弁、中華全国総工会、中央編訳局、中央テレビ、中国対外翻訳出版公司などの第一線で活躍している人たちが、日ごろの実務の中で抱えていた問題や課題を持ち寄り、それをたたき台として討論した。

今回は北京のほとんどすべての対日交流窓口の人たちが一堂に会いして討議することになり、諸事多忙の中で会う機会がほとんどなかった仲間たちが久しぶりに再会することができ、それだけでも興奮するに値することであったが、みんなほとんど同じ課題に取り組んで仕事をしてきたこともあり、交流への意欲もなみなみならぬものがあった。また、第二外大で日本語の勉強をしている一部の院生もセミナーを「傍聴」する形で参加した。これから見ても、第二外大の中日翻訳事業という「表現の世界」に対する力の入れようを見て取ることができる。第二外大は言語学、日本文学、日本社会などの分野に多くの研究者、翻訳者を送り出すとともに、実務の世界で活躍している数多くの日本語使いを育成してきたことで、実質的にも、口コミの中でも中国ではユニークな存在として知られている。そして、日本語学科を設置している中国の他の大学とともに、いろいろなスタイルの人材を育成する面で切磋琢磨しつづけている。私見であるが、それぞれの大学には特色と目玉となるものがあってしかるべきであると思っている。

今回もセミナーに出席した第二外大副学長の邱鳴氏は、日本で古典の勉強をした人だが、古典に詳しいばかりか、改革、開放のビッグ・トレンドの中で、対外交流人材の必要性をかなり前から的確に見て取り、浅学非才の私にも同時通訳講座の講師として、勉強の機会や若者たちと触れ合う機会を与えてくれ、このことは私の視野を広げるきっかけのひとつとなり、また、老ジャーナリストとして自分をさらに大きく膨らませるきっかけともなった。なが年、日本と関連のある仕事をしてきた人間として、絶えずリアリティーとの接触を保ち続けることは自分を成長させるために不可欠と考えているので、今回も老骨にムチ打って、若い人たちと一緒に勉強することに努め、得るところ多大であった。三人寄れば、文殊の知恵といわれるが、今回は二十数人が集まったのだから、その相乗効果は小さくない。

http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2010-04/26/content_19909560_2.htm

中国と日本は、遣隋使、遣唐使の時代から交流があり、日本は唯一のかなり全面的に漢字を使っている国である。しかし、同じ漢字を使っているがゆえに、社会体制の違い、発展段階の違い、対外交流の角度、範囲の違いなどから、意味のズレ、用語の違いがときには目に付くことになっており、それを上手に乗り越えていくことも私たちのスキルアップの課題となっている。

今回のセミナーでは、中国の改革、開放の中での特有の表現や日本でのそれに類した表現の比較や、なるべく日本の人たちに分かりやすいものにするためにはどうすればよいかなど、幅広い範囲にわたって話し合われた。

日本の雑誌には、中国企業の海外での事業展開をいっそのこと「走出去」戦略と言っているケースもある。中国ではまだそこまで大胆になってはいない。私も数十年来、こういうことで神経をすり減らしてきた人間のひとりであるが、こういうバリアとかハードルがあるから、この仕事は面白いのだとも思っている。セミナーでは、いろいろなすばらしい、大いに参考になる発言がポン、ポンと飛び出し、和やかな雰囲気の中で討論が続いた。

次回のセミナーは十一月中旬に、中央編訳局が受け皿となって開かれることになっている。なお、セミナーで討論されたことはウェブサイトで公表されることになっている。


山谷剛史の「アジアン・アイティー」:Twitterが使えない中国からフォローされたでござる、の巻 [中国の社会・文化・歴史]

今回の「日本人女優」の過熱振りにはおどろいた。
それ以上に、中国でこんなに簡単にtwitterを使えてることにおどろいた。
ついでにおどろいたのは、今回の騒動が中国のメディアで報道されたこと。
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Twitterが使えない中国からフォローされたでござる、の巻
http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1004/22/news013.html
山谷剛史の「アジアン・アイティー」 2010年04月22日

中国政府、ネット工作員を28万人配備 [中国の社会・文化・歴史]

中国政府、ネット工作員を28万人配備:「グリーンダムたん」も登場
http://wiredvision.jp/news/201003/2010033123.html
WIRED VISION 2010年3月31日

WIRED NEWS 原文(English)
http://arstechnica.com/tech-policy/news/2010/03/280000-pro-china-astroturfers-are-running-amok-online.ars

ユーザーに製品レビューを提供する『Yelp』や『Amazon』のようなサイトで企業が行なう「ニセの草の根運動」が問題だと考えているなら、オンラインの政治フォーラムでの「議論を形作る」目的で政府が20万人を雇用する場合にどれほど最悪な事態になるか、想像してほしい。
中国事情に詳しい著名な研究者であるRebecca MacKinnon氏によると、中国政府は、インターネットを監視して政府の印象を良くするために28万人を雇用しているという。

中国政府による「ニセの草の根運動」に関するMacKinnon氏の報告は、今月米国議会での公聴会で証言するために用意されていたものだ。公聴会の日程が最終的に変更された際に、証言者リストから自身の名前が削除されたことから、MacKinnon氏は用意していた原稿(PDFファイル)を公表したのだ。

2008年には、香港を拠点とする研究者David Bandurski氏が、少なくとも28万人が様々なレベルの政府機関に「オンライン・コメンテーター」として雇用されてきたと推定している。「五毛党」として知られ、嘲りの対象となってきたこれらの人々は、報酬をもらって、オンラインのチャットルームやソーシャル・ネットワーキング・サービス、ブログ、ニュースサイトのコメント欄で政府の印象を良くする書き込みを行なっている。さらに、それより多くの人々が、ボランティアとして同様のことを行なっている。こうしたボランティアは、引退した当局者のほか、共産党員を目指す、中国共産主義青年団に所属する大学生から募集されている。

[一回のコメントにつき、五毛(0.5元)の報酬を得るということから「五毛党」と揶揄される。2009年12月には湖南省衡陽市の党組織が、300人の有償「網評員」を整備したことをHP上で掲載。甘粛省も650人の網評員についてHPに掲載したことから話題になった(現在は削除)]

こうした手法は、米国語で「アストロターフィング」(astroturfing)として知られる戦略と似ている。アストロターフィングは今では、世界中のCM広告会社、PR会社、選挙運動によく用いられている。[人工芝の商品名『AstroTurf』をもじった言葉で、「人工芝運動」の意味]
MacKinnon氏の原稿は、中国国民たちが「ニセの草の根運動」や検閲やフィルタリングなどに負けているだけの存在でないことも伝えている。分散型ウェブホスティングや、どうやってフィルタリングを回避するかという技術を伝える非公式のサポートグループなどの他に、抗議の意味がこめられたジョークもある。

2009年に、中国のネット検閲は大幅に強化された。政治に関する白熱した議論が交わされることで知られていた、多くの活気あるブログやソーシャル・ネットワークが、ポルノ取り締まりという名目で閉鎖されたのだ。

それに対して、上海にいる冗談好きの匿名人物が、「Ode to the Grass Mud Horse(草泥馬に寄せる歌)」というオンライン音楽ビデオを制作した。アルパカの動画をバックに子どもたちの合唱が流れるビデオで、表向きは無邪気な歌詞だが、非常に猥褻な同音異義語が含まれていた。

[草泥馬とは、2009年始め頃から中国のネット上に登場し始めた、アルパカに似た架空の動物。fuck your motherという意味がある中国語を、同音の漢字を当てはめて動物の名前のようにした。元々は百度百科において、検閲で取り除かれてしまう言葉を、同音のまま動物の名前のように漢字を当てはめた架空の珍獣4体『四大神獣』の記事が起源。なお、四大神獣には「雅魁廨(ヤーミェーディェー)もいる。これは、日本製のAVなどで出てくる日本語の「止めて」から。

2009年7月からは、中国国内で生産・発売されるパソコンすべてに検閲ソフト「緑バ・花季護航」(グリーンダム)のインストールが義務付けられることになった。これに対して、萌え擬人化したキャラクター『グリーンダムたん』も登場した。「風紀」と書かれた腕章を付けているなどの設定があり、人工音声による歌も登場したが、現在の検索サイトでは禁止された事項となっている。

以下の絵は、フランス革命を描いたドラクロワの油絵「民衆を導く自由」のパロディ「人民を導く醤油」。街頭でテレビ局の記者に取材を求められた中国の男性が「俺と関係ねーんだよ!醤油を買いに来ただけだ!」とカメラに向かって発言。この「打醤油」という唐突な発言は中国のネット上で広く伝えられ、2008年からの人気ネット用語になった。「政治のことをしゃべらない」「敏感な話題に触れない」「俺と関係ない」「俺は何も知らない」「ノーコメント」という意味がある]

[日本語版:ガリレオ-矢倉美登里/合原弘子]

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